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日本人は為替レートを間違っている!? [マネー]

私たちは、報道から次のような知識を常識をごとく受け取っています。

1. 為替は国力を反映する
2. 消去法で日本円が買われてきた
3. 経済力の弱い国の通貨は売られる
4. 人口減少はその国の通貨の下落につながる
5. 円安になると株高になる
6. 財政破綻すれば円安になる
7. 日本にとって米ドルとの為替レートこそが最重要
8. 日本は長期デフレに陥っている
9. 輸出企業が海外に出ていくと経常赤字になる
10. 円高になるのは海外投機筋のせいだ
11. 円高は日本企業に不利だ

著者の佐々木さんは、JPモルガンチェース銀行で債券為替調査部長をされている
バリバリの現役金融マンですが、上のようなマーケット解説は間違っていると
主張します。著者の説にしたがって、その一つ一つを正解に置き換えてみます。

1.為替は国力を反映する→為替は通貨の交換レートに過ぎない。
為替に国力も経済力も人口動態も関係なく、物価上昇率と金利の関係で決まる。

2.消去法で日本円が買われてきた→日本円に買われる理由など要らない。
世界第2位の経常黒字国であり、世界最大の対外純債権国である日本には、円
を買わなければならない必然があふれている(円高要因)。むしろ円を売って
外貨を買う理由が存在するときにレートは動き円が下落する。

3.経済力の弱い国の通貨は売られる→長期的には購買力平価が成り立っている。
物価が上がるから通貨は安くなり、物価が下がれば通貨は上がるだけなのだ。

4.人口減少は通貨の下落につながる→人口増減と為替相場は全く無関係。
人口増が続き国力のもっとも強い米国の通貨はもっとも弱く、弱い日本の円は
実は強かった。

5.円安になると株高になる→株高になるから円安になる。
海外で株高になると株を買うために円を売る、だから短期的には円安になる。
マーケットが前向きになれば円安、慎重になれば円高。

6.財政破綻で円安になる→日本国債の金利が上昇すれば、円高になる。
国債金利の上昇で国内外から資金が流入するから、円は買われて円高になる。
円の暴落が起き得るのは、金利上昇を過ぎてデフォルトの危機に陥ったとき。

7.日本にとってドルとの為替レートが最重要→大事なのは円/ウォン相場。
日韓は海外での競合にさらされている。韓国ウォンが割安であれば日本製品に
対する競争力が高まる。企業収益には韓国ウォンに対する円安が貢献する。

8.日本は長期デフレに陥っている→デフレではなく物価安定が続いている。
日本の消費者物価指数の推移はデフレと呼べる水準ではない。むしろ、日銀
の金融政策は物価安定という意味ではかなり機能していた。

9.輸出企業が海外に出ていくと経常赤字になる→所得収支の黒字が増える。
日本の製造業が生産を海外に移すと貿易黒字は減少するが、対外投資は増加
することになるので、配当という所得収支の黒字が増えるので、すぐに経常
赤字にはならない。

10.円高になるのは海外投機筋にせいだ→投機は長期的な相場に対して中立。
投機のお金は常に買い戻される(反対取引が発生する)往復切符だ。だから
長期的には影響を与えない。大事なのは貿易などの片道切符の動きなのだ。

11.円高は日本企業に不利だ→円高は日本企業に利益をもたらす。
円安と企業利益との相関関係は崩れ始めている。日本の企業全体でみれば、
相場がドル安円高方向に下落した方が輸入コストが減少してプラスとなる。

いかがでしたか?結論だけを要約しているので、ロジックが伝わらないかも
しれません。興味や疑問をもたれた方は、ぜひ本書を読んでみてください。

なお、この佐々木さんに真っ向から反論する本も出ています。
安達誠司さんの「円高の正体」 (光文社新書) です。
併せて読むと理解が深まるかもしれません。

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Kunihiro Kitagawa

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